山本保先生を偲んで

  • 2013.02.27 Wednesday
  • 09:43
 昨日、(2月25日) 留学先だった ボストンのマウント・アイダカッレジにて、故Professor Tommy Ymamoto (山本 保教授)の追悼式典があり、スカイプステーションで参列させていただきました。

山本先生とは、2010年、夏、私が単身渡米してすぐに同じキャンパスで教鞭をとられている日本人の先生がおられるとの事で、早々に、日本食の居酒屋のカウンターで飲んだのが始まりでした。
すでにアメリカ滞在数十年、真っ赤なポルシェを乗った、とても粋なプロフェッサー!というのが第一印象でした。

そして、幾度となく、お話をさせていただいていると、京都のご出身で、私も大変お世話になった元国立国際美術館館長の木村重信先生が恩師だったこと、お父様が私と同じく大工だったこと、全米レンダリング協会の会長もされていて、私も存じ上げていた日本のレンダリングの著名な方々とのお話。。。などなど。偶然にも共有できる話がたくさんあって、それから、ことある事に先生のご自宅に大好物の赤ワインを片手に、伺うようになりました。

そして、私たちの帰国送迎パーティーも昨年8月に盛大にご自宅で開いて頂きました。それから少し体調を崩されたことは知っていたのですが、突然、昨年12月、先生の訃報が届き、大きなショックでした。

大学では、TOMMY,TOMMYと呼ばれ、特に女子学生からの人気は抜群で、いつも「ここで教えていることがとても楽しい」とおっしゃっておられました。
元気で楽しそうな先生の姿が今も焼きついています。特に教授室の改装をお手伝いした時、2人で、「お互い大工の息子だからな。。。」といいながら金槌片手に手作りの机を作ったことが思い出されます。

また、、40年近くのアメリカ生活のお話をお聞きする中で、国や人種を超えて常に自身のアイアデンティーを表現することの大切さ、チャレンジすることの意味。そして、何より時間を楽しむことのすばらしさを教えていただきました。

山本先生が、私に残してくれた言葉、「NOTHING TO LOSE」。 この言葉は、私の一番好きな言葉になっています。
 山本先生、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします。

ホワイトハウスグリーン改修プロジェクト

  • 2012.07.18 Wednesday
  • 14:07
皆さま、暑中お見舞い申し上げます。ボストンの夏も、日本ほどではないと思いますが、日中は毎日暑いが続いております。

今日は、嬉しいニュースを。。。
2年前にボストンに来て最初に手掛けた「ホワイトハウス改修プロジェクト」を昨日(7月16日)マサチューセッツの国会議員BARNEY FRANK 氏に冊子を手渡しました。

FRANK氏は、1980年から32年間議員務め、とても力のある人でしたが、つい
先日、今年限りで引退を表明し、同時に、30以上歳年下の男性と同性結婚する
ことも発表し話題になっています。
なんとも、自由の国アメリカ!と言うか、70歳を超えた彼のバイタリティー??
に感動しているところです。



ところで、ホワイトハウスは、9.11以降 アメリカの国会議員の紹介がないと見学できないようになっています。現在、FRANK氏に紹介を申請してもらっているところです。

次の目標は、オバマ大統領に手渡すことでしょうか???

新年のご挨拶 2012年

  • 2012.01.01 Sunday
  • 01:31
謹んで新年のご挨拶申し上げます。

2011年、ここボストンで色々な国の人と出会い、交流することで、世界を身近に感じる様になり、そして夢を一緒に語り合うことでお互いが元気になることも実感しました。

 2012年も「建築デザインで街と人を元気にする」という目標に向かって、多くの人との出会いから貰った元気を、社会に還元できるように「デザインの力」を信じて前進して行きたいと思います。


BEST WISHES FOR THE HOLIDAY SEASONS AND THROUGHOUT THE COMING YEAR

 

In the year 2011, we have had many international friends and felt the world events close to us because of our interactions with multiple cultures. Moreover, conversations about dreams with each other inspired me to do everything.

I believe in the power of design that can inspire people and community. I will do my best, as an architect, to contribute to society.

 

I wish you the best in 2012.   

                                                              HIROYUKI & SACHIKO TAKAHARA


私たちの2011年

3月、ただちに被災地に向かった医療関係の方々、今も救援活動を続けている友人、大学のカフェテリアで基金を集めてくれたインターナショナルな友人たち、復興基金にと折鶴1羽2ドルで買い上げてくれたアメリカ企業。だた毎日流れる被災地の情報を見るのがすこし重苦しく感じた。建築デザインに何ができるのか?何をすべきか?ちょうどその時2つの照明デザインコンペを見つけ、賞金を基金にと生き込んで提案した「二酸化炭素を食べる照明器具」提案は苦しくも落選。多くの友人、クラスメートや教授が賛同してHELPして頂いたことに心より感謝命の尊さ、生きていることへ感謝。

環境の大切さ、環境建築の可能性を発信して行くことが今私にできることだ思います。


7,8月、中国人の友人と早朝英語勉強会!

同じアパートに住む彼女の夢は、母国中国に自分の手で大学を建てること。ハーバード大学を目指して英語も猛勉強をしている。彼女に刺激され、毎朝6時から向いのオルムステッドパークで単語の暗記勉強会。この秋、彼女はハーバードエクステンションスクールの英語、アメリカ史を受講した。がんばりやの彼女は一歩一歩着実に、夢に近づいている。

友人と夢を語ることはで多くの元気を貰っている。


8月 JUDI国際員会視察ツアー

ボストンへ来て一年、英語力取得に必死で、ゆっくりボストンの街を見る余裕がなかった私にとって、改めて街を見る機会をくれた。ボストンの街の緑の多さを実感。車社会のアメリカでレンタサイクルの試みはとても興味深い。ただ、驚いたことに、先日、もう一度写真を撮りに行くと、全てのターミナルは撤去。さすがにボストンの寒さ、雪の中では夏場だけの試みだったようだ。来春の再開を心待ちにしています。

アメリカがサスティーナブルな世界の創造をリードする日は近い。と感じています。


9月 エコロジカルサイエンスのクラスを受講。

大学で、エコロジカルサイエンスのクラスを受講した。環境についての各国の施策、政治、生物学、資源、水、食品、都市開発、地理学、気候・・・全ての分野から議論するとても有意義なクラスでした。

大学でのこの分野の教育が将来必ず環境社会の創造に貢献すると思います。


BOSTONコモンの緑

11月 HIGASHI SCHOOL のオープンハウス。

ボストン郊外にあるHIGASHI SCHOOL世界的にも有名なスペシャルニーズの学校です。創始者は日本の先生で25年前、日本の教育文化を取り入れ始めたのが始まりとのこと。先生と子供たちのコミュニケーションをとても大切にされていて、建築空間もコミュニケーションするためのサインがいっぱい。教室空間も授業風景もとても活気があり、見学者のみんなも元気を貰った一日でした。オープンハウス最後のプログラム、コンサートはプロ並み!ありがとうございました。


12月 チェルノブイリハート上映会 MITにて

上映会の主宰者は震災復興援助の活動「てわっさ」を継続的に続けている友人。秋には、現地に大川小学校にボストンの有志が作ったキルトのタペストリーを届けに。彼女のコメント「このキルト何の役にも経たないかもしれないけれども、私は少しでも愛を届けたい。できることから始めることが大切。だからこれからもできることを精一杯続けて行く。」

非常に共感した言葉です。建築に携わる私にとってテクノロジーは次世代の環境社会をつくる一つの大きなツールであると思う。建築が環境のデストロイヤーからコントリビューターになる日は必ずくる。

そしてデザインは人を元気にする。目標に向かって「行動」することが大切だと思います。


リサイクル輸送コンテナキャンパス計画


12月 街はクリスマスムード。ボストンからオクラホマへ

2004年から毎年、日本へ研修ツアーに来ていたオクラホマ大学(OSU)のHSU先生、今年の卒業生MAOさんから卒業式への招待状が届き、オクラホマへ!ボストンから飛行機乗り継ぎ5時間ほど。アメリカはやっぱり広い!

オクラホマはカーボーイの街。アメリカ横断のルート66沿いのガソリンスタンドは街に活気を与えている。あこがれのバイソンとのご対面した。ライトのプライスタワーは、経済成長のシンボルを大木にモチーフにデザインされている。環境と経済の融合!これからの環境建築に大きなヒントを与えている。


HSU先生、MAOさん、OSUの皆さんの温かいおもてなしに感謝感動のツアーでした。ありがとうございます。


ボストンへ来て1年半、多くの国の文化、人と出会い、地球上のみんなが平和で健やかに過ごせることの大切さを感じました。そのためには自然、環境、社会がいかに大切か、そしてデザインが、街や人を元気にしていることも実感しました。


2012年 この少しでも私たちのデザインが社会に貢献できるように。この目標に向って進んでゆきます。今年もどうぞよろしくお願いします。


高原 浩之&幸子








暑中お見舞い申し上げます

  • 2011.07.29 Friday
  • 12:06
 暑中お見舞い申し上げます

日本の夏は、今年も厳しく、尚且つ、節電ということで、エアコンも控えられていることだと思います。
夏バテには、くれぐれもお気をつけください。

先日は、日本女子サッカーの最後の勝利の瞬間を偶然にも、オンタイムでテレビで見ることが、感激しました。日本でも、この明るいニュースで元気になれた方がきっと、沢山いることだと思います。

ここボストンは、なが~い冬で、冬は冬眠しないといけないほど、外に出る機会ははぐっと減るんですが、夏は、イベントが一杯。特に夕涼みがてらに、いけるフリーのコンサートが、独立記念日の時に盛り上がるハッチシェルのイベント会場やあちらこちらの公園で開催されています。
私も、日本から持ってきた浴衣を着て、オーケストラ演奏のチャイコフスキーを聴くというなんとも贅沢な経験をさせてもらいました。
やっぱり、このあたりが、なんか、アートの街って感じ。。。それでは、皆様、その様子を少し。。。
By asai

CO2を食べる照明器具 英語版

  • 2011.05.31 Tuesday
  • 11:47

ご無沙汰のブログ投稿で失礼します。
ボストンは5月初めは肌さむい日もありましたが、最近は春を通り越して夏のような陽気が続いてます。世界中の気候がどこか狂ってきている気がします。アラバマでは、巨大トルネード、ミシシッピー川は荒れ狂ったように街を呑み込んでいます。

私たちは何をすればいいのでしょうか?

3月の震災で、皮肉にも日本のインフラの課題やエネルギー問題について、こち
らボストンでも頻繁に議論されました。
ボストン在住の日本人会でも、何が出来るかを話し合い、何人かの医師や看護の
専門家は現地へ帰国し、活動されています。
私自身も建築家として何が出来るのか?を強く自問させられました。
そこで、ちょうど、学生向けのアイデアコンペでしたが、他の学生にも環境意識
への刺激をと、担当教授の助言も頂き、提案したのが、「CO2を吸収する照明器
具」でした。残念ながら入賞にはなりませんでしたが、その照明器具を使って、
ホワイトハウスを究極のグリーン建築にリノベーションする計画をスタジオで提
案しています。


趣旨は、アメリカでは、環境課題は、政治的な要素が多分に絡んでいます。私個
人の意見としては、環境は、政党や人種、国を超えて議論すべきことだと思って
いますが、現実は政治が動かなければ変わりません。そこで、政治家でない私が
提案できるのは、ホワイトハウスを究極の環境建築にすること。その環境建築の
中で決済される決議は、おのずと環境にやさしくなるはず。ホワイトハウスが変
われば、アメリカが、そして世界が変わる。私は建築デザインの力を信じていま
す。

というような夢を語りながらもうしばらくは、ここボストンでアメリカの多様な文化、考えなど
体感してみたいと思います。


お礼と2月の近況

  • 2011.02.10 Thursday
  • 04:51
 早、2011年も2月に突入。今年の日本も寒さ厳しかったとお伺いしましたが、もう梅の花も咲き始めたとか。。。
大変遅くなりましたが、今年、年賀状をいただいたままになっている皆様、本当に有難うございました。日本からこちらへ転送してもらい楽しく拝見させていただきました。ブログ見てるよ!って書いて頂いて方もいらっしゃっているのに、筆不精お詫び申し上げます。今年もよろしくお願いいたします。

 今年のボストンは日本同様、例年になく寒さ厳しくなったみたいです。私達ははじめての冬だ
ったんで、覚悟はしてたんですが、snowstormがこの冬、5〜6回以上きたんです。いつもだと、2回ほどで、道に積まれた雪の山は溶けるそうなんですが、今年は入れかわり立ち代りsnowstormがやってくるので、雪が溶ける間もなく、残っていて、その雪がブラックアイスと呼ばれる氷になって、、歩くときには特に気をつけないと滑ってしまうんです。

ただ、スノーストームの後のカラッ晴れ渡った空は、快晴でどこまでも青空が続き、空気が新鮮でとさわやかな気分にしてくれます。

そんな一寸先も見えにくいsnowstormの様子とその後の晴れ渡った同じポンドニューの様子とそこにある誰が作ったのやら?アート心がある写真を添付します。







* これって、私にはベンチで横になっている男性にみえるんですが。。。


こちらはまた、今週末、また大きなsnowstormがやってくるそうです。
大阪ではインフルエンザ流行っているとか?みなさま、風邪など惹かれないようご自愛ください。

A HAPPY NEW YEAR 2011

  • 2011.01.02 Sunday
  • 23:35
 明けましておめでとうございます

昨年2010年は、私たちにとって、大きな節目の年でした。また、今年2011年は、50歳を迎える年でもあります。今年はより一層”後ろ姿美人”を目指して何事にもチャレンジしてゆきたいと思います。
50歳のゆとりと楽しむ心をを忘れずに!
皆様の2011年がよい年になりますように。
     高原 浩之&浅井 幸子+チョコ

では、ボストンのお正月レポートご笑覧ください。

大晦日、日本ではすでにお正月ですが、ボストンは、ファーストナイトの発祥地らしく、多くのイベントがあるようです。特にTRINITY CHERCH前のCOPLEY広場には、大勢の人が集まって、カウントダウンを待っています。 夜31日の7時と年明けの12時には、花火が上がります。

私たちは、欲張って、夕方、そのCOPLEY広場とBOSTON COMMONの前を車で見学。その足で、日本人の知人宅で、竜馬伝の総集編と紅白を見せてもらいに行きました。
12時の花火は、自宅のアパート9階から見えるはずなので、12時には自宅へ戻る。という、欲張りスケジュールで、ボストンでの初めての年末年始を迎えました。

元旦の朝、快晴の天気で、10℃近くありそうな心地良い日よりに誘われて、郊外へ出かけることに急きょ決定!ボストンから3号線沿いに45分ほど車で南下した所に 1620年 MAYFLOOR(メイフラワー号)に乗ったPILGRIMS(ピルグリム)が上陸したPLYMOUTH(プリマス)に行ってきました。


海からの上陸の際初めてのこの地に踏み入れた石 PLYMOUT ROCKをはじめFIRST STREETやFIRST CHURCH、今のアメリカの原点がここにあると思うと、日本人の私でさえ、とてもロマンを感じるのどかで良い町でした。


FIRST(LEYDEN) STREET と 正面奥のFIRST CHURCH

そこで、元旦でほとんどのショップはしまっていたのですが、その中で偶然にもとっても雰囲気のよい、アメリカンカフェを見つけました。またまた、そこのFREE PAPERで、浅井が、ここから40分ほどに西へ走った ATTLEBORO という街に30万個のライトで飾られたの教会がるとのことで、夕方の行き先はそこへ決定!。カーナビ操作を間違って、少し道に迷いましたが、迷った分到着した時の感動は一層増していました。
とても幻想的な空間に浸って、満足!、満足!の年始でした。


相変わらず、あらかじめ予定を立てない行動は、はたしていいのか? チョコは疲れてぐっすり寝ています。
今年もしっかり楽しむぞー。では皆様、本年もどうぞよろしくお願いしたします。

ボストンより メリークリスマス!!

  • 2010.12.24 Friday
  • 13:06
 メリークリスマス!!

ここボストンは今週初めから雪景色となり、街は、クリスマスイルミネーションと重なって、とても活気を感じます。サンクスギビング、このホリデーの消費も昨年より軒並み上昇とのニュースが流れています。景気復活の兆しでしょうか?
私たちのアメリカ生活も、あっという間に5カ月が過ぎようとしています。正直、少し後ろめたさを感じてしまうほど、アカデミックな環境で過ごしています。

先日、徒歩10数分の場所にあるボストン美術館に行ってきました。11月末にノーマンフォスター設計のアメリカ美術ウィングがオープンし、全体の構成も一新されて、よりパワーアップしました。

アトリウムに面したアメリカ美術のウィングは、4層の構成で、53室のギャラリーがあります。ギャラリーは約4500平米ほどで、増床は約12000平米とのことです。規模は、ちょうど中之島の国際美術館と同じ程度でしょうか?年代ごとに、興味深い展示がぎっしりという感じです。

左上)アメリカウィングよりアトリウムを見たところです。
右上)アトリウムより各階をつなぐ階段を見上げた写真。

光栄にも、ボストン美術館は私の学生証を提示すると、20ドルの入館料がいつでも無料。ありがたい!です。

また、こちらでは、公共図書館がとても充実されていて、マッキムミード&ホワイト設計、フィリップジョンソン増築のボストン公共図書館では、毎日、ESLの教室が無料で開催されていたり、主要な美術館の入館料が5ドルで入館できるチケットを提供していたりして、外国人の私たちでも、しっかり利用させてもらっています。
写真)
ボストン図書館エントランスロビー(左下)と中庭(右下)

        
下)ジョンソンの増築新館のロビー


話には聞いていたのですが、凍り始めたチャールズリバーを初めて見て感動です。
雪景色の中を歩くJapanese!


では、来年も皆様にとってよい歳でありますように!!!
HAVE A WONDERFUL HORIDAY SEASON!










OPEN THE WHITE HOUSE

  • 2010.11.26 Friday
  • 09:07

こんにちは、高原です。今日(11月25日木曜日)は、サンクスギビングという、日本のお正月のような休日です。窓から見えるボストンのダウンタウンも今日は交通量も少なくひっそりとしています。
明日は、ブラックフライデーと言って、早朝からショッピングセンターがオープンして、賑わうようです。これからクリスマスに向けて街のイルミネーションも増えてきて、ますます活気付くのでしょう。

ところで、学生としての成果の一つをご紹介させてください。スタジオの課題は、世界中の歴史的な建築を自由に選定し、リノベーションするという課題です。
せっかくアメリカに来たので、実際に携わることがないだろう、「ホワイトハウスの改修計画」を提案しました。タイトルは「OPEN THE WHITE HOUSE」


現在ホワイトハウスは、2001年9月11日以来、ビジターの見学は中止されています。ただ、近い将来必ず再開されることを願って、その時のための改修として、私たち建築家に何ができるのか?また、その時を促す提案はできないのか?というのが選んだ動機です。

ホワイトハウスは、建築としても本当に多くの機能を担っています。初代大統領ジョージワシントンの指揮の基、ワシントンDCのマスタープランに呼応して、1792年に建設が始まり、2代大統領ジョンアダムスから今の44代大統領バラクオバマに至るまで、まさにアメリカの歴史の真只中に常に存在していました。そしてこれからも世界のあらゆることに関わってゆくことは間違いないでしょう。




ホワイトハウスは、言うまでもなくPRESIDENTの住まいあり、オフィス機能、、ホテル機能、コンベンション機能、さらにはシェルター機能・・・など建築のあらゆる機能を必要としています。そして、建築様式としては、外観はLATE GEORGIANスタイルですが、内装は、歴代の大統領(主にファーストレディー)の好みで幾度も改修が加わっています。興味深いのは、実はホワイトハウスの外壁素材は白ではなくサンドストーン色です。(AQUIA SAND STONE) 1812年、イギリス軍との戦いの際に火災にあい、外壁の汚れを隠すために、白にペイントされています。以来、ホワイトハウスというニックネームがついたようです。オフシャルには1901年26代大統領セオドアルーズベルトが正式な書簡にホワイトハウスという名を使ったようです。
また、35代ジョンFケネディーの妻ジャックリンケネディーが、改修のためのデザイン委員会を設立して、以後この委員会が改修デザインをコントロールする役割を担っています。


アメリカに来たての私にとっても、アメリカの歴史を勉強する良い機会でもあり、同時に、自分自身のデザインポリシーでもある、グローバルな視点と人目線を具現化する良い課題で、楽しく取り組みました。



さて、もうひとつ、今回とても楽しく、苦労?したのは、CADのオペレーションです。
20代のころ、CADがようやく出始めたころのには、案外好きでDRA CADを操作していたのですが、ここ20数年は、もっぱらお願いする方でした。
ちょうど、今注目のBIM(ビルディングインフォメーションモデル)の3次元CADシステムREVITをもうひとつの講義で取っていたので、これを使ってプレゼン資料の作成に挑戦してみました。

ただ、始まってみるとこれがなかなか・・・楽しい苦悩で・・・当然ですがマニュアルはすべて英語で、その上3次元なので、データーが重い。自分のノートでは、ハードがついて行かない・・・など悪戦苦闘しましたが、とても温和で年配のドイツ人(息子が40歳らしい)のCAD担当教授に励まされ、優秀な美人のアメリカ人講師や今年MTIDAを卒業して、今はボストンアーキテクチャーカレッジ(BAC)のマスターにいる陽介君はじめ多くの人の助けををもらって、どうにかそれなりには使えるようになりました。
とても優秀なソフトであることは確かです。基本から現場まで一貫してできるだけあって実務的でかつ、奥の深いツールです。

余談ですが、オペレーションと葛藤していると、日本にいたころ、夜9時ごろに、所員の描いたCAD図面を見て、「うーんここ少し明日朝までに訂正お願い・・・」、「すぐやろ?」と言っていた自分がとてもひどい人だったようで・・・いまさらですが、みんなごめんなさい。。。自分でやってみて実感しました。

手書き崇拝世代に育っていますが、CAD機能の限界と可能性をさわり程度ですが実体験できたことは、非常に良いことでした。


クリティークではセキュリティーに関しての質問が異常に多いです。ホワイトハウスですから当然ですが、日本的には、どこか心の片隅で、それは運用の問題でしょ。と思ってしまうところがあるのですが、当然のことながら建築的な解決方法の説明が執拗に求められます。

ここでは、ビジターセンターに改修する3階は、オープンなプランニングとしています。
カフェもあるのですが、厨房ではなくオープンキッチンとして、ファーストレディーと一緒にホームパーティーという設定も描いてみました。



真ん中のオーバルの部屋は、メインダイニングです。
周囲を水の張ったテラスに囲われ、VIP会議のときも、両サイドのラウンジ、カフェをオープンにして水による動線のコントロールと防弾ガラスで、セキュリティー強化をする。というデザインです。

通常は、すべてがオープンで下図のように、水を抜いて、オープンテラスとして利用します。





エコボイド、エコはイコと発音した方が通じやすいですね。
環境手法は、やはり日本が一歩リードしているかな?という感じです。ここでもセキュリティーチェックにシースルーエレベーターを使う説明しました。ちょうど、テロ対策強化で空港でのレントゲンチャックが厳しくなる中ですので。本当は、自然通風システムや太陽光発電ガラス、光触媒に興味を示してくれると思ったのですが。。。

レンダリングで苦労されている方は多いでしょう。特に、REVITクラスになると、32ビットの大学のCPUでは、レンダリングが終わらない。今回も時間切れで、手書きとのハイブリッドパースになりましが、これも、環境のコンセプト、「プリミティブな環境手法と最先端の手法のハイブリッド」が今の時代は重要です。とこじつけ?の言い訳で押し通しました。



このスパイラルの模様は、トップライトが創りだす光のパターンです。両サイドのカフェとラウンジは、20世紀の象徴である水平なマリオンを持ったカーテンウォール(ライトシェルフにもなっているのですが)に、歴史的な文様のスクロール(SCROLL)とリンケージをイメージして、21世紀のダイナミックなパターンとしてデザインしました。

中心に配置したメインダイニングは、より歴史的なスタイルに敬意を払いながら、照明には、私がここ数年固執している、「二酸化炭素を食べる照明器具」 をアレンジして提案しました。言い続けていればそのうち日本の優秀なメーカーさんが必ず開発してくれると信じています。





英語で言いたいこと表現する。これは、今回の渡米の直接的な目的でもあり、良い勉強になりました。プレゼンの最後に、学生のみなさんに向かって、「あなたたちがぜひ将来ファーストレディーになって私にkのプロジェクトを依頼してください!!!」と笑いを期待して言ったつもりが。。。
おそらくFIRST LADY?の発音が悪く、LとRの発音がカタカナ英語なのでしょう。笑いが取れなく冷や汗でした。(笑)まだまだ修行が足らんです。


今回、私の渡米の目的を一言でうまく表現してくれた人がいます。2000年に九大新キャンパスプロジェクトで、協同した、SASAKI アソシエーツのMS.TAKAKOさんです。彼女が描いてくれた私たちの交流会ロゴ、とても気に入って今回のプレゼンボードにも使わせてもらいました。「ハイヒールを履いた丑の後姿」 今回の渡米で「後ろ姿(内面)を美人(美男)にしたい」。まさに私たちの渡米の目的にぴったりです。彼女とは偶然にもボストン日本人会の会合で再会し、以来、浅井ともどもとても楽しく交流しています。この交流会(SABUROKU会)の楽しい企画報告はまた近々UPします。ご期待ください!




















ボストンへ来て2ヶ月 Part2

  • 2010.11.02 Tuesday
  • 12:55
 それから『columbus day』 という10月11日(祝日)。
あちらこちらの美術館で無料で入館できると聞き、私は『Isabella Stewart Gardner Museum』へ行ってきました。良かったです。
1903年に美術館として開館され、3階までは美術館で4階は住宅。美しい花で満たされたコートヤードを囲って建物が建てられ、今回はその真中で、楽器も演奏されていました。このコートヤードのガラスの大屋根も建設当初からのものだという事に少し驚ききました。
大富豪の未亡人となったIsabella Stewartが1900年の数年前に(60歳位の時に)建設し、当初は年に2回、数日間のみ開館していたということらしい。ヨーローパなどの優れた美術品や工芸品、中には日本のものもありました。イサベラさんの肖像画、美しかったな〜。
1990年に心亡き人にフェルメールの『合奏』など数点作品が盗まれたままで戻ってきていないらしい。『合奏』には賞金500万ドルかけられているそうです。。。盗まれた状態のままになっているので、早く戻ってきて欲しいものです。
展示だけでなく、内装もすべてに工夫されていて、床の石、革張りの壁や彫刻された手すりなどなど、美術品に詳しくなくても、全体からくる迫力に圧巻。見ごたえありです。この日は慌しく見て周りましたが、次回またゆっくり見学させてもらいたいと思います。美術品だけでなく、音楽会も頻繁に行われているようなので、とても優雅な気分になれそうです^^。



そして、アメリカのビッグイベントと言えば『ハロウィーン』 
お店や街中のお家の前には、大きなパンプキンが飾られていました。私達の住んでいるアパートでも、子供達がいろんなコスチュームを身にまといカラフルなバケツをもって、お母さんと一緒に パンプキンのステッカーの貼ってあるお家を 『Trick and Treat』 と言って、楽しそうにみんなでそぞろ歩き。私も青空野菜市であんまりにもパンプキンがこっちをみていたので、試しに小さいのを1個買って、パンプキンのカービングに挑戦。
と、こんな調子でアメリカでの色んなイベントも楽しんでいます。         by asai

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