学校エコスクール研修会に参加して

  • 2009.06.30 Tuesday
  • 17:21

 堺市立堺高等学校のエコ改修にに向けて、6月から9月にかけて6回の学校エコ改
修研究会が開催されている。

今まで6月2日の第1回目、第2回目は先週土曜日6月27日は、現地視察と測
定などの研修、ワークショップが行われた。とても、興味深い研修会である。

私にとって、グリーン建築への興味は、1998年当時の建設省が、グリーン庁舎第一号として、
公募型プロポーザルを行った、阿南合同庁舎である。
プロポーザルでは、大手事務所が蓄熱や昼光制御など省エネ技術を駆使した提案
を行う中、私たちは、環境はプリミティブなもの。原始的な手法で文明開化以前
の住居や都市に学ぶことで、環境建築を創ります。とのコンセプトで進めた。

おかげで、この阿南合同のプロポーザルを勝ち抜くことができ、超過密スケジュー
ルの1か月余りで基本設計をまとめるため、チーフだった私とスタッフ一人を引
き連れアメリカ事務所へ乗り込み、時差を使った24時間体制で設計を進めた。
一般的なアメリカの設計業界では、まだ、関心の低かった環境問題だが、シーザーペり事務所では、ペリの息子、ラファエロペリは非常にグリーン建築に興味を持っていて、このプ
ロジェクトを米国本社へ初めて持ち込んで打ち合わせを始めた時、まず最初に行っ
たのは環境の専門コンサルタントとのディスカッションだったことはとても印象
に残っている。

いわゆるデザインを得意とする、シーザーぺり事務所だったが、建築が果たすべ
き役割、条件を徹底的に分析したうえで、デザインを組み立てるプロセスを踏む
のが常だった。このことは、今の私の事務所でも必ず通るデザインプロセスである。

前置きが長くなったが、依頼、常に設計を行う時には環境はを意識して進めてき
たつもりだが、大げさかもしれないが、今回の学校エコ研修会で改めて、環境建
築の本質?のようなものを感じた。

というのは、近年プロポーザルといえば、必ず環境配慮について。。。という課
題が与えられる。私自身も、デザインを組み立てる上で、常に一番最初に来るこ
とである。ただ、あまりに、頭でっかちになっているように感じることがある。
環境配慮には、ホームラン的手法はない。多くの手法を丁寧に検証しながら確実
にかつ素早く実行に移すことが重要だ。ただ、最近その手法に時々振り回されそ
うになる。いや、良いように考えるとそう思いたくなるほど進歩したのかもしれ
ない。

研修では、実際の温度や湿度、風速などを実測し、私たちが学生だった頃の空調もない
蒸し暑い実習室だったが、自然を感じとても楽しく、心地良い時間を過ごすことができた。

「地球にやさしいことは人にもやさしい。」このフレーズには納得。
ただ「やさしい」ことと「快適」とは必ずしも一致しないと思う。
今回は、この暑さをどのようにエコ建築で解決するかが課題であるが、
反面、定量的な要素だけでは、解決できないことも感じた実測研修でした。

座長の山中先生はじめ企画の皆様ありがとうございました。
次回も楽しみにしています。

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