山本保先生を偲んで
- 2013.02.27 Wednesday
- 09:43
山本先生とは、2010年、夏、私が単身渡米してすぐに同じキャンパスで教鞭をとられている日本人の先生がおられるとの事で、早々に、日本食の居酒屋のカウンターで飲んだのが始まりでした。
すでにアメリカ滞在数十年、真っ赤なポルシェを乗った、とても粋なプロフェッサー!というのが第一印象でした。
そして、幾度となく、お話をさせていただいていると、京都のご出身で、私も大変お世話になった元国立国際美術館館長の木村重信先生が恩師だったこと、お父様が私と同じく大工だったこと、全米レンダリング協会の会長もされていて、私も存じ上げていた日本のレンダリングの著名な方々とのお話。。。などなど。偶然にも共有できる話がたくさんあって、それから、ことある事に先生のご自宅に大好物の赤ワインを片手に、伺うようになりました。
そして、私たちの帰国送迎パーティーも昨年8月に盛大にご自宅で開いて頂きました。それから少し体調を崩されたことは知っていたのですが、突然、昨年12月、先生の訃報が届き、大きなショックでした。
大学では、TOMMY,TOMMYと呼ばれ、特に女子学生からの人気は抜群で、いつも「ここで教えていることがとても楽しい」とおっしゃっておられました。
元気で楽しそうな先生の姿が今も焼きついています。特に教授室の改装をお手伝いした時、2人で、「お互い大工の息子だからな。。。」といいながら金槌片手に手作りの机を作ったことが思い出されます。
また、、40年近くのアメリカ生活のお話をお聞きする中で、国や人種を超えて常に自身のアイアデンティーを表現することの大切さ、チャレンジすることの意味。そして、何より時間を楽しむことのすばらしさを教えていただきました。
山本先生が、私に残してくれた言葉、「NOTHING TO LOSE」。 この言葉は、私の一番好きな言葉になっています。
山本先生、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りします。